掃除の効用

ちょっと息抜き

私はいつからか家事が好きになった。特に掃除が好きだ。昔からきれいな状態が保たれていることが好きではあった。しかし、掃除そのものが好きだと思ったのは近年だ。大きく分けると3つの効用があると思うので紹介したい。

断捨離は、心に新しいことを呼び込む隙間を与えること

隅々まで磨き上げるのは、心のアンテナを高めること

整頓は、心と頭を落ち着けること

明確にこれらの効用があったと覚えているのは、ベトナムに駐在していた頃だ。

当時は、現地経営を任されており、分不相応とも思えるくらいの多大な責任範囲と毎日起きるトラブルへの対応で疲れ切っていた。さらに、ベトナムは土曜日も働く週休1日スタイル。睡眠と疲労回復のための運動に当てて週末が終わっていくような状態で、掃除にまで手が回らなかった。会社はクリーニングスタッフを雇わせてくれたので、ありがたくその恩恵を頂戴することにした。

毎日掃除洗濯をやってくれた。最初は適当にしかされていなかった掃除も、何度かやり方を教えると、丁寧にやってくれるようになり、毎日家はピカピカだった。でも、私自身はいつもイライラしたままだった。落ち着こうとしてジムで汗を流したり、本を読んだりはしたものの、常に心拍数が高い状態というのか、落ち着かなかった。

あるとき、床に物をこぼし、自分で拭いた。その時に床を磨きながら、ふと、家事を全て外注して、仕事漬けの生活になると、気分を切り替える瞬間がまったく無くなっていることに気が付いた。

私にとって家事は、住まわせてもらっている家にお礼を言う、着ている服の汚れや伸びを見ながら自分の体型を見直す、食器を洗いながら食べ物の偏りを見つめる、などそれぞれが心を整えることに繋がっていたことを再認識した瞬間だった。

断捨離は、心に新しいことを呼び込む隙間を与えること

まず大事なのは、これから起きる新しいことを呼び込めるように、心に隙間をつくること。

断捨離の文字は、ヨガの行法である断行(だんぎょう)・捨行(しゃぎょう)・離行(りぎょう)に対応している。

断:入ってくるいらない物を断つ
捨:家にずっとあるいらない物を捨てる
離:物への執着から離れる

執着から物が増えている場合と、無頓着から物が増えている場合とがあるが、何れにせよ、いらないものを断つ。つまり、いらないものと判断できる基準をもつこと。それができて初めて、入ってくるものに意識を向けられ、何を入れてはいけないかがわかる。

物の断捨離ができると、心に隙間ができる。不思議だけれど、繋がっていると思う。

隅々まで磨き上げるのは、心のアンテナを高めること

大事だと残ったものは、全部磨き上げる。特に家そのものや、家財などを磨き上げることは、心のアンテナを高めること同じ。

心のアンテナとは、自分の心の声を聞くこと、関わる周囲の人の感情の声を聞くこと、自然や草木の声を聞くこと、いずれも心が乱れた状態ではなかなか聞こえてこない。

例えば、家の柱、床、大事にしている木製の家具、調理器具、これまで役立ってくれているお礼を言いながら、それぞれが気持ち良いと感じる材料で磨く。木製のものは乾拭きが基本だが、汚れているう場合は固く絞った雑巾や、木専用のワックスなどで丁寧に艶が出るまで磨く。

仕事のことを考えていたりすると、私の場合、どうしてもイライラしたり、そちらに集中してしまうので、磨くことに集中するこの瞬間はとても大事だと思っている。磨くことに集中できると、徐々に心のアンテナが敏感になってきて、色々な声が聞こえるようになってくる。

綺麗になると、愛着がわく、次は汚さないようにしよう、どうすればこの状態を保てるか、と毎日の行動に結びついてくる。

ひとつひとつの行動の積み重ねは、意識して行えば、自分が管理できる量で手元に残ってくると思う。

整頓は、心と頭を落ち着けること

整理整頓の整理とは無駄なものを捨てること、整頓は正しい位置に戻すこと。

製造業で昔から使われてきた5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・躾の5つのSをとったもの。ビジネスで使用されているのは、単なる美化運動ではない。これらが生産性向上に繋がるとの確信的な改善活動である。

私が考える「断捨離」とは整理にあたり、「磨き上げ」は清掃、清潔に当たる。最後の「整頓」は、正しい位置に戻すこと、それを自分に躾る、習慣化すること、を意味している。

整頓は心だけではなく、頭で考える、どこに置けば部屋の雰囲気に馴染むか、使う上で効率が良いか、掃除がしやすいか、など考えながら場所を決めること。やはりこれが最後にこないと締まらない。

気分がアガるツールで掃除を始めるのも手

ここまで、掃除の効用だと思ったことを書いたが、そもそも一番最初にやる気スイッチが入らないということもあると思う。何事でもそうだが、ぴったり用途にあう機械に出会うのもひとつのきっかけ、めぐりあわせだと思う。

私はダイソンの掃除機の吸引力と、付属品のノズルで窓の桟を吸えるのをテレビCMで見たとき、まさにこれが欲しかったと思い即購入した。一般的には、掃除機をかけた後に細かいチリやホコリが残ると、その後水拭きをした際にも汚れが伸びてしまう。ダイソンの掃除機はその点が秀逸。あと、コードレスが使いやすいだけでなく、ダストボックスが透明で、中に一瞬でゴミが溜まるのが見えるのも好きな点。もちろんゴミも捨てやすくて100点でした。

ダイソンの掃除機

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